ピクシブ株式会社を修了しました
このたび、アルバイトとして続けてきたピクシブ株式会社を退職することになりました。まさかやめる時が来るなんて、思ってもみませんでした。
ピクシブには、2012年7月から入社し2017年7月まで5年間働いていました。仕事ではAndroidアプリ開発をしていました。アプリのリリースボタンを押したり、開発のみならずASO(アプリストア最適化)やプロモーションについて勉強することもできました。
経験したこと
- pixiv Androidアプリ
- pixivコミック Androidアプリ
pixiv Sketch Androidアプリ(ちょっとだけ)
もうちょっと技術的なこと
- 入社当時Android 2.xのUIだったのをAction Barを使ったUIに変更する大規模アップデート
- (忘れたけどこの間いろいろたくさんやったと思う)
- 既存のコードをKotlinに書き換える
会社のブログに記事を書いた
会社で誕生日を5回祝われる
- たくさん恋愛相談する
- TVCM放映、大規模プロモーションの現場に立ち会う
そして…
- ピクシブ株式会社におけるアルバイトとしての全課程を修了する
退職の経緯
ピクシブでは5年間アルバイトをしてきました。退職した理由は2つあります。
1つ目の理由。これは今年の冬に他社のインターンに参加したのが影響しています。そこで考えたのは、このままピクシブに居続けてよいのだろうかという思いがありました。そろそろ何社かインターンに行って、他社での開発のやり方や文化を学んでいきたいと感じるようになりました。
それくらい大好きなピクシブですが、居心地がよすぎてこのままだとバイトを続けちゃうので一度自分の可能性を外で試してみようと思いました。今まで自分がやってきたことが、どのくらい外部で評価されるかというのも気になっています。
2つ目の理由。もしかして理由としてはこっちのほうが大きいかもしれません。僕は現在大学3年生ですが、大学生なのも半分以上が過ぎ、大学で過ごす時間はもうあまり残っていません。ここで一度アルバイトをやめてみて、その時間で何か勉強をしてみたり、サークル活動とか、はたまた恋愛活動に専念したり、いろいろがんばってみたいというのが理由です。思いつきでやめちゃったような気がします。やめたくないよピクシブ。本当に大好きだよ。
僕は今、20歳です。社員の皆さんは全員年上の方です。そんな人生の先輩方とお話しているうちに、やりたいことに果敢に挑戦することの重要さを強く感じました。僕は昔から「やらない後悔よりやって後悔する」ように心がけていました。恋愛については結構奥手なのでうまくいってないんですけどね…。
まあそれはさておき、大学に入ってから、というより高校のときからずっとアルバイトを続けているので、アルバイトをしていない状態がないわけです。ずっとバイトを続けています。一度、アルバイトをしていない状況下に置かれてみて、今までの自分と今の自分とこれからの自分を見つめ直してみたいです。
ピクシブをやめる後悔もありますが、やめたときにできるかもしれない経験ができない後悔は経験できないため、やめてから後悔したいのです。
1ヶ月前の6月末に、この大好きなピクシブを一度退職し、残された大学生活で得られるものを最大限得られるよう挑戦する決断をしました。
ピクシブでの思い出
ピクシブではたくさんの思い出があります。
まず、入社のきっかけ。当時は通信制高校に通っていて、学校が週2日しかなかったためそれ以外の日は家でごろごろしていました。でもそれがもったいなくて、この時間で働きたいと思って、中学生のときから知り合っていたたっどさん(id:zonu_exe)に相談したら、ピクシブのエンジニアとの座談会のようなイベントの参加者を募集していることを教えてもらいました。
そのイベントに参加したのですが、大学生しかいませんでした。ピクシブの当時リードエンジニアだったnorioさんと、エディタの話で盛り上がってたらバイトをする流れになっていました。
バイトの面接のとき、僕は当時RailsでWebサービスを開発していたのでRailsで何か仕事をやりたいと申し出ました。役員面接では「これからはアプリの時代だ!」と言われ、どんなものかアプリ開発を始めてみることにしました。Androidアプリ開発は初めてだったのですが、次第にアプリ開発にハマっていくことになります。
僕は中学時代不登校で、大して勉強もしていなかったので通信制の高校に通っていました。授業のレベルは優しかったのですが、それでもわからないことがありました。これはとんでもないことなのですが、現CTOであるedvakfさん(id:edvakf)に会社のホワイトボードを使って数学の2次方程式や英語を教えてもらったりしていました。
当時はピクシブでのアルバイトを週に4日ほどしていました。めちゃくちゃ稼いでいました。1年で80万くらい稼いでいて*1、全部消えました。旅行も、行き帰り新幹線で行ったりしてました。めちゃくちゃ反省していて、今は貯金してます。とにかく働いていて、ここで気づいたのです。高校生なんだから、もうちょっと学校行きたいなと。毎日学校に通えるよう、通っていた高校の退学を決め、高校2年の4月から公立高校への転学をすることができました。高校ではやっぱり片想いしてたりいろいろあったんですけど、所属していた組織とは関係がないので割愛します。
高校3年になり、大学入試を控えるようになりました。今の大学にはAO入試で入ったのですが、推薦書をbashさん(id:bash0C7)に書いていただきました。面接に慣れておらず一度は落ちてしまいました。なんとか2回目で受かりました。bashさんは2回目も快く書いてくださりました。AO入試は合格発表まで時間があるので落ちたときの対策として、今までバイトをして貯めていたお金を使って個別指導塾に通っていました。結局模試とかも全然ダメだったのでなんとか大学にはいれてほんとによかったです。
大学に入り、高校生のときよりもバイトに行ける時間が少なくなってしまいました。その分、高校とピクシブにはなかった新しい出会いもありました。これは最近の話なのですが、大学のプログラミングの授業でアシスタントをしていたところ、その履修者の留学生がpixivを知っていたことです。pixivが海外で知られていることを実感しました。世界的ですもんね。ビッグウェーブ来てますよ。
大学に入ってからはあっという間で、授業や研究、サークルの都合でバイトにも行くことができませんでした。ただ、昨年にpixivコミックの大規模プロモーションがあり、テレビCMを打ち出す、社運を賭けたプロジェクトに関わることができたのは貴重な経験でした。5年前から会社を見てきているので、ついにここまで来たかという気持ちで胸が熱くなりました。プロジェクトに少しでも貢献できるよう、週2日フルタイムで出勤できるように授業の履修を調整したのは、僕はピクシブが大好きだからです。
ピクシブは当然のことながら初めてのアルバイトです。高校生のときは社会のこともわからず、失礼なことを言ったりして、不快な思いにさせてしまうこともありました。しかし、ピクシブの皆さんと接することで、次第にコミュニケーションスキルを獲得していくことができました。本当に感謝しています。
ピクシブでは5年間働いていました。今20歳なので人生の4分の1をピクシブで過ごしてきました。4分の1ですよ??すごい。思い出しかない。僕にとってピクシブは人生の一部です。
これはやめた後に気づいたのですが最終出社日、7月26日の前日25日はピクシブの創業日だそうです。ピクシブ株式会社13年目突入のときに、僕は自分を試してみるためにチャレンジをはじめます。もしかしていい話じゃん。
最終出社日のできごと
最終出社日の7月26日は水曜日です。ピクシブでは毎週水曜日に社内でお弁当を食べるランチ会が行われているのですが、いつも通りランチを食べていました。午後の会議に出てそれが終わったあと、サプライズが…。お世話になっていた社員の方たちにプレゼントをいただきました。上から下まで全身きれいにするグッズだそうです。
そして、最後の仕事を無事に終え、退勤しようとしたところ、突然修了式が始まりました……!代表取締役社長の伊藤さんより修了証書をいただきます。
伊藤 浩樹 - 今日はピクシブで15歳からアルバイトをしてたいとおちゃんの(一旦の)最終出社日でした!... | Facebook
会社から修了証書もらえたのやばい!!!!!! pic.twitter.com/pA4VEh63Hj
— いとおちゃん🌸(2017) 🐔 (@i315) 2017年7月26日
僕は普段猫背気味なのですが、このときばかりはあまりにもいきなりすぎてまれに見る猫背度でした。思い出に残る写真なんだしもうちょっとシュッとしてればよかった。その後、ツーショット記念撮影会が開催され、数人と自撮りしました。
最後の退勤を終え、飲み会に行ったらはじめ4人だったのに人がいっぱい集まってきて10人以上増えた。
会社の人と飲み会やってたらいっぱい人きた pic.twitter.com/HlVAoP7HTB
— いとおちゃん🌸(2017) 🐔 (@i315) 2017年7月26日
0時になる前まで飲んでました。楽しい一日はこれで終わりです。
最後に
ピクシブをやめて社員の方に会える機会が減ってしまうのが寂しくて、退職を決意したときからめちゃくちゃ泣いています。オフィスのビルの1階にコンビニがあるのですが、すぐ高いティッシュを買いにいきました。こんなに泣いているのはおそらく中学生のとき以来で、いろいろあってめちゃくちゃ悲しいことがあったのですがそのときと同じレベルです。そういえば、人生振り返ってみると学校の卒業式はいつも泣いています。まあ今回のは修了式らしいのですが、悲しいことには変わりありません。
ピクシブで正直ここまで暖かいお見送りをしてもらえるなんて、やめてみないとわかりませんでした。アルバイトを続けすぎていて、そろそろ会社に必要とされなくなってきているのでは…と考えることもあって、それがちょっとだけ悩みでした。でも、ここまで退職を祝福してくれるなんて、ピクシブのことがもっと好きになりました。本当に、お世話になりました。伊藤さんは「みんなの家族」と表現していますが、ピクシブ株式会社からは一度離れることになっても、ピクシブのサービスの成長や会社の発展を心の底から応援する、ピクシブのメンバーでいつまでもいたいと思います。
ピクシブでのかけがえのない経験や思い出は一生の宝物です。やらない後悔よりやって後悔する気持ち、今回ばかりは本当につらいのですがこれからも挑戦を続けていきます!!お別れではないので、これからもときどき遊びに行きます!
ピクシブはやめた今でも超大好きで、退職の翌日も会社に行って一緒にランチをしたりしました。というか退職して翌日に会社に行くのは全然やめた気持ちにならないのでおすすめできません。
退職の翌日に会社来てるので全然やめた感じしない
— いとおちゃん🌸(2017) 🐔 (@i315) 2017年7月27日
あとこれはピクシブに5年間いて分かることなんですが、ピクシブのアルバイトはとても自由度が高いです。興味のあるものをやらせてもらえるし、どんどん意見を出して議論に参加することができます。自分が責任を持って開発するという意識がない人には向いていないのかもしれません。しかし、その意識がある人はとても楽しい会社です。大学生、もちろん高校生でもピクシブのアルバイトに興味があるという方がいたら、本当におすすめします。
ピクシブの皆さん、これからもどんどん会社に遊びに行きまくるのでよろしくお願いします!!!
エンジニアの退職エントリに必要な例の画像を貼らないくらい、とても幸せな退職でした。
なお、社内のみなさんはこの退職エントリよりさらに詳しく書いたものをまとめてあるのでそちらもあわせて読んでいただけたら幸いです。
P.S. この5年でめちゃくちゃ太った……。
画像: pixivで15歳のエンジニアが採用されたッッ!! - Wantedly道場
*1:7月から12月までのお給料です!