かた想い三年

一期一会を大切に

メール

メールなんて昔のコミュニケーションツール、使うとしても一年に一度くらいじゃないかと思っていた。 どきどきして送信ボタンを押すのに送信画面の前でずっと勇気が出なくてメールを送れない、なんてこともう二度とないと思ってた。

金曜日のことだった。自分から聞いたわけじゃなくて、頼んでもいないのに友達が彼女に僕へメールアドレスを教えるよう言い、快諾してくれたのち、友達からメールアドレスを手に入れた。僕にしてみれば自分から聞き出せずじまいでしかも直接教えてもらわなかったし、かなり不本意な感じだったけど、それでも教えてくれたことには変わりない。教えられた瞬間に速攻で連絡先に入れた。

はじめてのメールもしたし、緊張して40文字にも満たない文章を何度も書き直したり、送るまで1時間くらいためらいがあった。 普段SNSに頻繁に情報を共有している人間からすると、メールを送るのにものすごい時間がかかったのは新鮮な経験だった。 こうした経験は初めてではない。だけどまたこんな思いをしてメールができるということに喜びを感じた。

今この瞬間に人を好きになれなくても、何年後に好きになれる人に出会えて、好きになったとして、果たしてコミュニケーション手段にメールを使うだろうか。とにかくメールというコミュニケーション手段で会話のキャッチボールができたこと、きっとかけがえのない思い出になるはず。

今の若い人はみんなLINEを使っている。コミュニケーションの手段はLINEに取って代わり、数年前では10代にしてみれば当たり前だったアドレス交換が今ではLINEの友達に追加し合う光景になり、当たり前のように目の当たりにする。 LINEに限らずインスタントメッセンジャーを使うよりも、メールのほうが10年先読める保証が確実にあるから、いい思い出も苦い思い出もどんなに後でも読み返せるわけだし、案外メールもいいんじゃないかな。

メールを好きになった一日だった。食わず嫌いはよくない。